
R&Dチーム 量子ソフトウェアエンジニア 佐藤圭介
【プロフィール】
新卒で入社したソフトウェアエンジニアを経て、2025年6月にJijに入社。
Qamomileの開発を担当。Jijに入社した理由を教えてください
新卒でソフトウェアエンジニアとしてキャリアをスタートした後、社内プロジェクトとして量子計算に触れたことが、この技術分野に深く関わるきっかけとなりました。元を辿ると大学の研究室では量子情報科学を学んでおり、論文など紐解きながら理解を深めていけることにおもしろさを感じていたので社内プロジェクトにも自ら参加しました。
その後イギリスでのワーキングホリデーを終え、興味を持ち続けている「量子計算関連のポジション」に絞って企業を探している中でJijを見つけました。カジュアル面談は本当にカジュアルな雰囲気で話ができ、これまで体験した選考の雰囲気とは違い、技術や未来についてフランクに語り合うことができました。チームメンバーの技術に対する熱量に触れ、「かっこいいな」と純粋に思い、入社を決意しました。
現在の担当業務とやりがいを教えてください
私は量子ソフトウェアエンジニアとして、主に二つの軸で業務を担当させていただいています。
まず一つは、OSS(オープンソースソフトウェア)であるQamomile(カモミール)をはじめとする量子計算ライブラリ開発です。設計から開発、そしてリリース対応まで、一貫して携わっています。最近では、 Qamomileの大規模アップデートに向け、設計議論の初期段階から参加しています。
開発にあたって「最終的に世の中に使っていただくプロダクト」であるという意識を強く持っています。そのため、設計からリリースまで、大きな裁量と責任をもって業務を進められることに、大きなやりがいを感じています。
もう一つは、量子最適化アルゴリズムのベンチマーキングです。
これは、社内で提案された量子最適化アルゴリズムを実装し、それを量子デバイスの実機で走らせて評価する業務です。この評価結果は、論文発表を目指したプロジェクトに直結しています。
私自身、「研究に携わりたい」と思っていたので、業務を通じて日々叶えられているという充実感があります。仕事をしているというよりも、知的好奇心を満たすための探求に没頭している感覚に近いですね。
もちろん、日々の業務を通じて、プロフェッショナルとして意識している課題もあります。
一つは、数理最適化や発展的な量子計算といった分野への基礎的な理解をさらに高めていくことです。そしてもう一つは、「誰かに使ってもらうこと」や「チームで作っていくこと」を前提とした設計・開発スキルの向上です。
自身の成長のために、今世の中で使われている優れたプロダクトの構造を分析し、そのエッセンスをJijのプロダクトに落とし込んでいく努力を続けています。
今後どんなことにチャレンジしていきたいですか
まず一つは、ライブラリの “ スタンダード化 ” です。
現在開発中のQamomileをはじめ、開発物は「広く使われるプロダクト」として機能や構造をさらに洗練させていきたいと思っています。外部・内部からのご意見を取り入れて、ライブラリそのものを磨き上げ、量子最適化の分野でデファクトスタンダードの一つになることを目指したいです。
もう一つは、論文発表に貢献する理論的な探求です。
現在のベンチマーキング業務を発展させ、実装に留まらず、より理論的な部分への理解を深め、論文にまとめられるような研究結果に貢献していきたいと思っています。
Jijの一員として目指す未来についても、強く思っていることがあります。
古典および量子最適化の技術・サービスにおいて、「Jijが代表となる」ことを目指したいということです。
私たちが得意とする数理最適化と量子計算を組み合わせた量子最適化の分野で、「あの技術はJijが作ったものだ」と言われるような、業界の代表となる企業になりたいと思っています。
記事をご覧の方へのメッセージをお願いします
現在、量子コンピューティングは毎年大きく前進のある分野ですが、実世界で利用するためには、まだ十分ではありません。言い換えれば、「今、量子計算の波に乗ることができれば、今後の量子計算分野の中核に食い込むことができる」ということです。
Jijでは、独自の数理最適化の強みを活かし、量子計算と合わせた量子最適化の分野で世界をリードしていくことを目指しています。実際、NEDOのプロジェクトなど量子データ基盤の開発に乗り出すなど、動きは加速していると実感しています。
「技術的探求心」を持ち、「量子計算分野を自ら切り拓いていきたい」という意欲のある方にとって、Jijは最高の環境です。
私個人のモチベーションは、自分たちがやっていることが「かっこいい」かどうかに尽きます。
Jijはかっこいいです。 「かっこいい」と思える技術に、最高の環境で挑戦したい方、ぜひ私たちとともにこの最前線に立っていただきたいです。
【R&Dチームメンバーのインタビュー記事】松山 洋道(R&Dチーム マネージャー)
【R&Dチーム募集ポジション】【Jijの主要プロダクトの詳細】JijZept(ジェイアイジェイゼプト)
量子・最適化技術を活用した次世代の開発ソフトウェアプラットフォームです。企業が直面する複雑な最適化問題に対して、独自のアルゴリズムと最新のソフトウェア技術を組み合わせることで、効率的かつ高精度な開発ソリューションの実現を可能にします。
JijModeling(ジェイアイジェイモデリング)
最適化問題を効率的に定式化するためのPythonライブラリです。数理最適化の実務では、実データの処理と問題の定式化は通常別々のプロセスとして扱われます。JijModelingは定式化のプロセスに特化し、それを支援するために設計されています。数式に近い自然な記述で最適化問題を表現でき、変数や制約条件を柔軟に定義できます。さらに、数式の対称性などの特徴を自動検出し、各種数理最適化ソルバーの性能を最大限引き出すための情報を保持します。
Qamomile(カモミール)
量子最適化アルゴリズム向けのオープンソースのソフトウェアで、数学モデルを量子回路に変換する機能を持ちます。QiskitやQuri-partsなどの主要な量子回路SDKと互換性があり、QAOA(量子近似最適化アルゴリズム)やQRAO(量子ランダムアクセス最適化)などの高度なアルゴリズムをサポートします。また、JijModelingを活用して数学モデルを記述し、さまざまな量子回路SDKに変換可能です。さらに、ハミルトニアンや量子回路を中間表現として扱うことができ、他の量子回路SDKと同様に独立して量子回路を実装する機能も備えています。
