JIJ、JijModeling 2を大規模アップデート、数理モデルの構築とデバッグをさらに効率化

2026/8/6

~ コンパイラ最適化技法「Flat AST」の採用により、コンパイル時の速度・メモリ効率がJijModeling 1と同等以上の水準に ~

株式会社JIJ(ジェイアイジェイ、以下「JIJ」)は、2026年7月30日より、数理最適化を扱う実務者や企業のR&D担当者向け数理最適化モデリングツール「JijModeling 2」の、大幅な性能改善を含む新バージョンの2.6および2.7を提供開始しました。

「JijModeling 2」は、従来バージョンであるJijModeling 1から型安全性や表現力を抜本的に刷新し、実務での使いやすさを追求した次世代のモデリングツールです。今回のアップデートでは、コンパイラの内部実装の大幅刷新を行い、使い勝手を損なうことなく1系統と同等かそれ以上の実行速度とメモリ効率を実現しました。さらにエラーメッセージの大幅な見直しや数理モデル更新時の利便性の向上を行い、数理モデルの定式化プロセス全体を一層加速させました。

開発の背景

数理モデルの定式化のプロセスは専門知識を要し、エラー発生時の原因特定や対応に多くの時間が割かれています。また、自然言語を活用して数理モデルの構築を支援する生成AI(LLM)連携が普及する中で、複雑な実務データへの対応や処理速度の向上、エラーの明確化がより一層求められています。

JIJではこれらの課題に応えるため、構文やAPIをゼロから見直し、安全性や可読性を高めた「JijModeling 2」を開発しました。しかし、機能の利便性が高まった一方で、大規模なモデルやLLMを介した高速なイテレーションにおいては、実行速度やメモリ消費量が旧バージョンに及ばないという新たな課題が生じていました。

そこで今回、効率的な内部表現であるFlat AST(※1)を大規模に採用し、実行速度とメモリ効率を大幅に改善しました。さらにエラーメッセージを分かりやすくし、包括的なオンラインのError Code Indexを整備することで、モデルの検証から実運用への移行を迅速に進められる環境を整えました。

「JijModeling 2」の概要と特徴

JijModeling 2は、業務要件を数理最適化モデルに落とし込むためのモデリングツールです。数理最適化を扱うデータサイエンティストや企業のR&D部門、既存のJijZeptユーザーを主な対象としています。

本ツールには、これまでの開発で培われてきた、数理モデルの開発から実運用を強力に支援する以下の基本特徴が備わっています。

  • 数理モデルとパラメータの分離

    モデルをスキーマとして機能させ、インスタンスデータのサイズに影響されずにモデルを変更可能

  • ソルバーに依存しないモデリング

    最適化用のデータ交換形式「OMMX Message」を利用することで、自社・他社問わず最適なソルバーを自由に切り替えて求解可能

  • 型検査と制約条件の自動検出

    独自の型システムによる記述誤りの早期発見や、高速化が可能な制約条件パターンの自動検出機能を搭載

  • 直感的な数式表示

    Jupyter NotebookやIDE上で、定義した数理モデルを対話的に数式として確認可能

直近の主な改善ポイント

直近のアップデートでは、「JijModeling 2」の高度な機能性を維持しながら、主に以下の改善を行いました。

  • コンパイル性能の大幅な改善

    Flat AST技法を採用し、コンパイル時の実行速度とメモリ効率をJijModeling 1と同等以上の水準まで改善しました。これにより、大規模な数理モデルにおいても、より快適なモデリング体験を提供します。

  • エラーメッセージの改善と「Error Code Index」の公開

    エラーの内容や原因をより具体的に把握できるよう、エラーメッセージを改善しました。あわせて、エラーごとの原因と対応方法をまとめた包括的な「Error Code Index」をオンラインで公開しました(Link)。これにより、エラー発生時の原因特定と修正にかかる負担を軽減し、数理モデルの構築をより迅速に進めることができます。

これらの改善により、自然言語から数理モデルを生成する当社の「JijZept AI」(※2)や、各種LLMを介した利用においても、定式化の速度向上が見込まれます。ユーザーが試行錯誤するサイクルを短縮し、より迅速な検証と実運用への移行を後押しします。

※1 Flat AST:プログラムの構造(構文木:AST)を平坦化(Flat)してメモリ上に配置することで、処理速度の向上とメモリ消費の削減を図る技術

※2 JijZept AI:ユーザーが自然言語で入力した要件をもとに、数理モデルの構築を支援する当社のAI機能(https://ai.jijzept.com/

今後の展望

JIJは今後も「JijModeling 2」の性能と使いやすさの継続的な改善を進めるとともに、「JijZept AI」をはじめとする生成AIとの連携を強化します。

当社は迅速な開発体制を活かしてユーザーへより早く新たな価値を提供し、誰もが数理最適化を業務に活用できる環境の実現を目指します。

関連リンク

公式ドキュメント https://jij-inc-jijmodeling-tutorials-ja.readthedocs-hosted.com/ja

株式会社JIJ(ジェイアイジェイ)について

株式会社JIJは、数理最適化を中核に、AIや量子技術も活用しながら、企業や社会に存在する複雑な計画・最適化課題の解決を支援するテクノロジー企業です。

製造、交通・物流、通信、エネルギー、材料開発などの産業領域において、顧客の課題を計算可能なモデルへ変換し、計画、配分、スケジューリング、探索などの意思決定を支援しています。

数理最適化に必要なモデリング、求解、開発・実行環境を提供するプロダクトや、オープンソースソフトウェアの開発・提供を通じて、複雑な最適化技術をより幅広い企業や開発者が活用できる環境の構築を進めています。

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