株式会社Jij(本社:東京都港区、代表取締役 CEO:山城 悠、以下「Jij」)とソフトバンク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮川 潤一、以下「ソフトバンク」)は、量子コンピューティング技術の一種であるイジングマシン(*1)を活用して、携帯電話基地局のパラメータを自動調整する概念実証(PoC(*2))を共同で実施しました。その結果、ハードウェアを増設することなく下りデータ通信速度を約10%向上させることに成功しました。Jijは、「量子コンピュータ」と「数理最適化」の専門性を両輪に、これまで解決が困難だった社会・産業の課題を解決する、スタートアップです。本取り組みでは、キャリアアグリゲーション(複数の周波数帯を束ねて通信速度を高める方式)が利用可能となるエリアの分布を、複数の基地局からの電波状況をもとに数理モデルで表現し、数理最適化を用いて最適な設定を短時間で算出しました。ソフトバンクが、東京都内のエリアで検証した結果、キャリアアグリゲーションを利用した下りデータ通信速度が約10%向上し、データ通信量も最大50%増加しました。既存設備のみで通信品質を大幅に向上できることが実証されました。企業は設備増設が不要なため新たな設備投資を抑制できるほか、電力消費とCO₂排出の削減に寄与するソフトウェア起点の省エネ施策として高い効果が期待されます。Jijは、追加投資なしで通信速度を約10%向上できた今回の成果を数理最適化の実用性を示す好例と位置付け、今後も通信業界をはじめ多様な業界で価値創出を目指します。ソフトバンクの実証実験に関する詳細は、ソフトバンクのプレスリリースをご覧ください。(日) https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2025/20250729_01/(英) https://www.softbank.jp/en/corp/news/press/sbkk/2025/20250729_01/実証実験のイメージ図画像提供:ソフトバンク株式会社 図1. キャリアアグリゲーション(CA)可能メッシュ数を最大化するようにCAリンク構成を最適化図2. 最適化前後のCA可能エリアの一例(青いメッシュ部分がCA使用可能エリア)(*1)組み合わせ最適化問題に特化した専用計算機で、エネルギーが最小となる状態を探索することで最適解を導きます。その動作原理により、古典型・量子型・量子インスパイアード型に分類され、物流や金融などの多様な分野で応用が期待されています。(*2) Proof of Concept — 技術やアイデアの実現可能性を検証する試験株式会社Jij 会社概要Jijは、「社会を計算可能にし、人類の進歩に貢献する」をミッションに掲げ、大規模な計算を伴う最適化計算事業を実施するスタートアップです。量子・最適化技術を活用した次世代のソフトウエア開発プラットフォーム「JijZept(ジェイアイジェイゼプト)」は、英国・米国・ドイツ・シンガポール・日本などで利用されており、エネルギーの需給計画や製造業の生産計画といった計画業務に対して、独自のアルゴリズムと最新のソフトウエア技術を組み合わせることで、効率的かつ高精度な開発ソリューションの実現を可能にします。会社名:株式会社Jij (ジェイアイジェイ)代 表:代表取締役 CEO:山城 悠(やましろ ゆう)所在地:〒108-0023 東京都港区芝浦三丁目3番6号 東京科学大学田町キャンパス・イノベーションセンターINDEST403号室コーポレートサイト:https://www.j-ij.com/ja/創立:2018年11月事業内容:量子・古典ハイブリッド技術を活用した企業向け最適化ソリューションの販売や提供問い合わせ先:株式会社Jijコミュニケーションチーム / pr@j-ij.com