概要量子最適化技術を提供する株式会社Jij(本社:東京都港区、代表取締役 CEO:山城 悠、以下「Jij」)は、グローバルにおける事業展開を加速するため、第一号支社を英国に設立しました。併せて、2025年3月に英国の量子コンソーシアムであるUKQuantumへの加盟が正式に受理されたことをご報告いたします。背景1.量子分野における日英の国家間連携直近半年において、量子分野における日本・英国間でのステークホルダー(政府・研究所・量子産業コンソーシアム・企業等)を巻き込んだ国家間連携が活発化しています。昨年11月、外務・経済担当の閣僚が集まる新たな協議体「経済版2プラス2」の新設が公表され、近日に東京開催で調整されている旨が報道されています(*1)。その中で、最先端技術における量子分野の連携について明記されています。 本協議体は、2023年5月のG7サミット開催時に締結された「強化された日英のグローバルな戦略的パートナーシップに関する広島アコード(日英広島アコード)」を受けたものであり、「量子等の新興技術分野に関する戦略的優位性の維持に向けて共に取り組む」旨が明記されています(*2)。英国政府のビジネス通商省は日本などのアジア・パシフィック(APAC)の量子関連企業の誘致に積極的です。毎年開催されるUK National Quantum Technologies Showcaseに合わせて、APACの企業を対象に独自のプログラムのAPAC UK Quantum Programme(以下、APAC英国量子プログラム)を開催しています。 日本においても、経済産業省や産総研、NEDOが中心となり、量子コンピュータの産業化に向けた開発の加速及び環境整備を強力に推進しているところです。2.量子分野における国際標準化の動向量子技術に特化した国際標準委員会(JTC3)がIEC/ISO(国際電気委員会/国際標準委員会)によって2024年1月に設立されました。本委員会は、英国を主催国として発足され、英国規格協会(BSI)を事務局として国際標準化に向けた動きが進んでいます(*3)。量子産業コンソーシアム(一般社団法人量子技術による新産業創出協議会、以下「Q-STAR」)は、日本の国内審議団体として2024年12月6日付けで日本産業標準調査会より承認されました(*4)。今年5月にJTC3の会議が日本で開催されると報道されています(*5)。3.英国の量子エコシステムにおけるJijの活動2024年10月に開催された英国エディンバラで開催されたJTC3の会合にて、日本代表団の一員として弊社取締役 COOの中田がQ-STARから派遣されました。また、Jijは、APAC英国量子プログラムの日本代表団として3年連続で参加しており、英国政府ビジネス通商省のアレンジの下、英国の量子全7拠点に訪問し、英国の量子関係者との関係構築をしています。さらに、Jijは、2024年12月に英国の量子コンピューティング企業ORCA Computingとの連携を発表し(*6)、量子コンピュータを活用した最適化アルゴリズムの開発を推進しています。この連携を通じて、Jijはフォトニック量子コンピュータの能力を最大限に引き出すアルゴリズムの開発に取り組んでいます。英国は、量子技術の研究開発および商業化において世界をリードする国の一つであり、Jijの技術と英国の量子エコシステムを融合させることで、さらなる技術革新を推進することを目指しています。このような経緯を踏まえ、英国に第1号支社を開設するとともに、UKQuantumの加盟に申請することとなり、この度正式に加盟が受理されました。英国支社について概要会社名:Jij Europe Ltd. (以下、Jij Europe) 代表者:代表取締役 CEO 山城 悠 設 立:2025年1月15日 所在地:オックスフォードシャー Harwell Science and Innovation Campus内に開設準備中グローバル展開の加速に向けた取り組みJij Europeは、Jijの海外第一号支社となります。グローバル展開への強いコミットメントのもと、取締役COOの中田が英国に常駐し、事業拡大を主導いたします。また、今後3年間で研究開発者およびエンジニアを中心に約20名の採用を予定しており、英国をはじめとする欧州市場での事業基盤を強化してまいります。英国政府・企業との連携を通じた量子技術の産業化推進Jij Europeは、UKQuantum、英国政府、英国量子コンピューティングセンター(NQCC)、ORCA Computingなど、英国の主要機関・企業との連携を深め、日本が強みとする最適化技術を活かしたユースケースの共有を進めます。これにより、量子技術の実用化および産業化に貢献し、グローバルな社会課題の解決に取り組んでまいります。拠点について本拠点が位置するHarwell Science and Innovation Campusは、英国オックスフォードシャーに広がる700エーカー(約283ヘクタール)の大規模科学技術キャンパスです。世界中の企業、研究機関、イノベーションハブが集結し、ヘルスケア、エネルギー、航空宇宙、量子技術などの分野で最先端の研究・開発が行われています。同キャンパスには240以上の企業が拠点を構え、6,000人以上が勤務しています。また、英国量子コンピューティングセンター(NQCC)から徒歩5分の場所に拠点を開設予定です。Jij Europeもこの環境を活かし、グローバルなイノベーション創出に貢献してまいります。ホームページはhttps://www.harwellcampus.com/UK Quantumへの参画UKQuantum(https://ukquantum.org/)は、英国の量子技術産業を代表し、国内外での量子研究と技術の推進を目的とした業界主導のコンソーシアムです。50社以上のメンバーが参加しており、スタートアップからエンドユーザーまで、量子コンピューティング、センシング、コミュニケーションなど、量子技術の全エコシステムをサポートしています。会員には、BT、ブリティッシュ・ペトロリアム、ボーダフォン、シティグループ、IBM、Google Quantum AI、Quantinuum、ORCA Computing、Riverlane、OQC、QuEra Computing、Q-CTRL、PHASECRAFT、イギリス国立物理学研究所(NPL)等が参画しています。日系企業としては、Jij EuropeがToshiba United Kingdomに次いでの参画となり、4月3日にロンドンで開催予定の年次総会に出席予定です。UKQuantumは、英国の量子技術産業の声として、政策立案や国際協力、ロードマッピング、標準化、スキル開発などの分野で活動するワーキンググループを設置しています。 さらに、英国政府の量子戦略策定に協力し、国際的な量子団体とも連携しています。 これらの取り組みを通じて、英国が量子技術の世界的リーダーであり続けることを目指しています。今後の展開欧州全域でのさらなる事業拡大を目的に、ドイツ・ハンブルクに第2号支社を開設予定です。(*1)日英両政府 経済版「2プラス2」の初会合を来月7日で調整https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250223/k10014730651000.html(*2)「日英広島アコード」に両国首相が合意、さらなる関係深化へhttps://www.jetro.go.jp/biznews/2023/05/2acfe0c705cd1b90.html(*3) IEC/ISO JTC 3 Quantum technologieshttps://www.iso.org/committee/10138914.html(*4) 量子技術の国際標準化合同専門委員会における日本の審議団体を引受け日本を代表して、量子技術の国際標準化に寄与https://qstar.jp/archives/about_news/量子技術の国際標準化合同専門委員会における日(*5)量子技術の標準づくり、日本で議論 5月に国際会議https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA146AY0U5A110C2000000/(*6) 「Jijと英国量子スタートアップORCA Computing、量子コンピューティング技術の戦略的パートナーシップを発表」(2024年12月2日) https://www.j-ij.com/ja/news/20241202about us会社名:株式会社Jij (ジェイアイジェイ)代 表:代表取締役 CEO:山城 悠(やましろ ゆう)所在地:〒108-0023 東京都港区芝浦三丁目3番6号 東京科学大学田町キャンパス・イノベーションセンター INDEST 403号室コーポレートサイト:https://www.j-ij.com/ja/創立:2018年11月事業内容:量子・古典ハイブリッド技術を活用した企業向け最適化ソリューションの販売や提供問い合わせ先:株式会社Jij コミュニケーションチーム / jij-marketing@j-ij.com