入社直後から経営チームの一人として活躍されていますが、ここまでの取り組みや成果について教えてくださいスタートアップとしてどのように成長を図っていくかといった本質的なスタンスについて、CEO・CTOと共通の視点を持ち、それに基づき会社として様々な意思決定ができたことが、ここまでの最も重要な取り組みであると思っています。具体的には、「株式会社であり、事業会社である」という視点です。株式会社として事業を生み出すこと、そしてお客様や世の中への価値提供や収益を上げることが目的です。研究開発は当社にとって最も重要で強力なドライバーのひとつですが、目的を達成するための手段という位置付けです。会社をスケールアップする段階で自分たちを再定義し、研究開発型から事業推進型へマインドを変化させていくことは、創業期から会社をリードしてきたメンバーにとって強い意志と覚悟が必要です。この変貌を成し遂げられたのは、このメンバーだからだと改めて実感しており、リスペクトしています。また、上記を踏まえて急速なスケールを目指すスタートアップであり続けることも、私たちが常に強く意識すべき大事な視点です。Jijは数理最適化領域においてプロダクトを開発し販売する技術ベンダーです。プロダクトを通じて成長をし、その成長で社会に大きなインパクトをもたらすものと考えています。だからこそ私たちが指数関数的に成長すべく、状況に応じて自らを再定義し、その場その場で変化に対応することが必要と感じています。さらに注力すべき視点は、グローバル市場でデファクトスタンダートを取ることです。昨年までは「グローバル市場にチャレンジする、一石を投じる」ことを目標に動いてきましたが、半年にわたる米州・ヨーロッパ・アジア地域での市場調査の結果、現状は「自分たちはグローバルに業界を牽引している一社である」という認識を持って推進するフェーズに入っています。私たちは、とりわけ技術領域においては競争力がグローバルでも最先端を走る一社であると分析しています。よって今後は自分たちが最前線を牽引し市場を創る姿勢で取り組んでいかねばなりませんし、それをミッションとして業界水準を高めていく努力が必要です。これまでの推進を踏まえ、今後のビジネス戦略の展望を教えてください。また、2023年夏からヨーロッパに赴任をされましたが、現地での状況や今後予定している活動について教えてくださいまずは、国内外のパートナー企業・国・大学など関係するステークホルダーとの事業連携をさらに加速化させたいと考えており、「数理最適化を民主化すること」を目標に掲げています。数理最適化は、地球規模の課題であるエネルギー問題をはじめとしたサステナブルな社会作りに対し、劇的なインパクトを与えうるソリューションです。この壮大なミッションの達成のためには、自社のみならず、国内外の関係各所との連携し達成することが必要になります。もう一つは、グローバル経営の素地作りを並行して進めていきたいと考えています。私たちは中期経営計画で「2028年までに数理最適化のミドルウェア領域でグローバルデファクトスタンダードを取る」ということを掲げています。2028年時点で海外収益が全体収益の半分以上の割合を目標としており、米州・ヨーロッパ・アジアの営業状況に応じて複数箇所に拠点が設立されていきます。そのため、今年の夏から私がヨーロッパに赴任をして、グローバル進出のための活動を行っています。最初の拠点としてヨーロッパを選んだ理由はいくつかあり、量子・最適化領域で最先端を走っている地域である点、多種多様な人材マーケットがある点、さらには時差の観点で日本との仕事が比較的スムーズに行いやすいといった点が主なものです。現在は各国の関係会社や団体とのネットワーキングや一次情報の収集、顧客状況のリサーチなど、多方面に目を向けた活動を進め、拠点選定を行っている段階です。今後はグローバル人材の採用を進めることにより、働くメンバーもさらに多様化していきます。そのような環境において、各スタッフのプロトコルの理解とリスペクトの浸透を図っていくことも重要な視点で、一層「相手を理解して仕事をする」スタンスを社内で浸透させていく必要があると考えています。このようにグローバル展開は進めているものの、マーケットとしては日本が最注力地域です。なぜならば、海外と比較しても日本はエンドユーザーが多く、アカデミアを中心に重要な技術拠点が多く、海外からも注目されている地域であるためです。よって、国内・海外両面に目を向け事業推進を加速化させることが私たちに求められているミッションです。最近興味のあることや休日の過ごし方を教えてくださいヨーロッパ赴任後は、外食時以外は基本料理を作っています。ロンドンでは様々な食材を手に入れることができるので、パスタやスープなど洋食を中心に様々なジャンルの料理を作っています。先日はお世話になっているシェアルームオーナーに和食をもてなし、とても喜んでいただけました。また休日は、街歩きやカフェ巡りなどをして、ロンドンの街を堪能しています。日本にいた頃はフットサルやマラソンなどスポーツをする機会が多かったので、またチャンスがあればロンドンでも体を動かしたいと思っています。